トップ > 人狼動画をかってに解説 > アルティメット人狼5 夜1戦目の解説

アルティメット人狼の真髄とは

チャット人狼とは違う魅力を求めて、また勉強もかねてYouTubeなどにあがっている対面人狼の動画をたまに見ます。

今回は、そこで神回・伝説とまで言われている動画について、管理人が勝手にポイントを解説します。その対戦は「アルティメット人狼5」夜の部第1戦です。

アルティメット人狼は、ニコニコ生放送で配信されている対面式の人狼で、人狼ジャッジメントなどで管理人がいつも参加している「ア式村」の元になったルールでおこなわれています。

いわゆる13人村で、連続ガードなし。そして本家アルティメット人狼で特徴的なのが、2回決選投票がおこなわれて同数になった場合に「ランダム処刑なし」となること。

※ 人狼ジャッジメントにおけるア式村ではランダム処刑ありが普通。

今回解説する動画で、実際に同数の処刑なしの盤面がありましたので、そのルールはあらかじめ伝えておきます。アルティメット人狼の詳細や歴史などはWikipediaを参照してください。

ちなみにかなり盛り上がった戦いなので、管理人の微妙なポイント解説を読む前に、実際のゲームを見ることをオススメします。ロジック偏重のチャット人狼とは違う対面(舞台)ならではの楽しさを味わえます。

以下、はじめに核心部分について触れるので、動画を見てから先を読んでください(以下、敬称は略します)。

なぜマドックを吊れなかったのか

動画コメントを見るとわかりますが、視聴者にとってはとても楽しいゲームだったようで「鳥肌が立った」とか「これぞアルティメット人狼」というような意見が見られます。

しかし、スマホアプリやPCアプリでチャット人狼に親しんでいるユーザーにとっては、少し疑問が残るゲームだったとも思います。

「気持ちよく騙された!」という人もいれば、「いや、なんでマドック吊らなかったの?」と思う人も多いでしょう。管理人は後者でした。

対立構図に騙された

人狼ジャッジメントで霊能3COがあった場合、ほとんどのユーザーが霊能ローラーを提案すると思います。しかしなぜか、この対戦ではそうなりませんでした。なぜ、マドックを吊ることができなかったのか?

それは、以下のような対立の構図が根底にあったと思います。

ダンカン(占)・児玉(霊) VS 中田(占)・マドック(霊)

今回の戦いでは上記の構図があり、舞台上で視覚的に、また参加者自身がわかりやすくなるように、役職者とその役職者を信じる参加者を、舞台上の上座と下座にわけて配置する、という演出がおこなわれています。

これはたしかにわかりやすいのですが、同時にリスクも伴います。なぜなら、反対側の参加者を疑いやすくなる、疑って投票しても怪しまれない、という構造ができあがるからです。

また、ロジック面でのミスリードもおこしやすくなります。

さらにマドックとダンカンによる誘導も非常に大きかったです。ダンカンは自身の占い結果から、マドックを人狼確定と言って攻撃します。マドックもそれに強い姿勢で応戦します。

児玉を信じる者は同時にダンカンを信じるし、マドックを信じる者は同時に中田を信じる、という構図ができあがります。預言者(占い師)と霊能者のどちらかを信じる者は、セットで信じるという状態になっていました。

これは、考えてみると不思議なのですよね。

ダンカンの占い結果から、ダンカン視点でマドック人狼は確定していました。しかし、中田視点では、ダンカン偽・マドック偽という可能性もあったのです。

つまり「ダンカンが真であれば、マドックは偽」「マドックが真であれば、中田は真」は成り立つが「中田が真であれば、マドックは真」というのは必ずしも成り立たない状態だったのです。

しかし中田が噛まれてその真が確定したときに、村側はマドックも真であると錯覚してしまいました。

それまでしきりにマドックを吊るべきと主張していた大野はマドックを信じ、吊ることを諦め、非役職者はみんな、狩人のどちらを吊るべきか、という議論に集中することになったのです。

最後まで疑問をもっていたのは森本くらいでした。村の直接的な敗因は狩人の2択をはずしたことでしたが、実際にはマドックを真と誤認した時点で村の負けが確定していたと言えます。

詰み盤面になるような噛み方はしない

そもそも論として、狼はみずから詰み盤面をみちびくような噛み方はしません。

今回のゲームは初日に人間を吊ったあと、2日目に占い2CO・霊能3COという2-3盤面になりました。霊能ローラーで確実にけずられるため、霊能が真狼狼になるはずはないので、真狼−真狂狼が確定しています。

占いのどちらかが噛まれれば、残ったもう一方は必然的に狼である、ということになります。実際に中田が噛まれてダンカンが破綻して、ダンカン吊りという流れが5日目にできました。

そこでデイジーが満を持して狩人COをします。すかさずメイソンが対抗CO(CCO)して、ラストウルフ露出という状態になりました。

このとき残っている縄は3つありました。3吊りで、ダンカン・デイジー・メイソンを吊れば村陣営にとって勝ち確定という盤面ができあがったのです。

ふつうに考えておかしいですよね?

なぜメイソンはCCOしたのか、なぜダンカン(狼)は対抗占いを噛んで自分が吊られる流れをつくったのか。その状態になって最も得をする者はだれだったのか…村側は狩人の2択の前に、それについて考えるべきだったでしょう。

最終的にマドックを真と認めた大野も、頭の片隅には「なんでやろ?」という考えがあったと思いますし、森本にいたっては詰み盤面になったことがおかしいと疑問を口にしていました。

しかし村はマドック吊りを視野に入れることはなく、狩人2択をはずしてあえなく敗北という道をたどります。

すでに説明したような対立の構図をつくることによるミスリード、マドックの話術、メイソンの誘導、そしてダンカンの破綻芸(笑)という、舞台ならではの策略によって村側は負けてしまったのだと思います。

村陣営は勝つことができたのか?

なぜ中田が噛まれたのかと言うと、中田を信じる者のほうが多く、その中田がメイソンを占うと公言していたことが非常に大きかったと思います。

中田は序盤から誰をうたがっているか、誰を占う予定かを公言していました。そのせいで噛み合わせが起きてムダ占いが発生していましたが、最終的には彼の発言を村陣営は覚えておくべきだったと思います。

そして詰み盤面になったことへの疑問を抱き、また中田が真であってもマドック真が確定しないこと、つまりマドック偽を追い、ダンカンのあとにマドックを吊り、最終日に狩人の2択を当てれば勝てました。

…自分で言っていてかなり無理のある道筋だなあと感じます。

しかしこれが実現できていたときのほうが「神試合」と呼ぶにふさわしいものになったように思います(超絶上から)。

もちろん、管理人があの場にいたら、そもそもどの占い師が誰に白を出したのか、どの霊能者が誰に白を出し黒を出したのか、そして誰が何番目に誰に投票したのか、などを覚えておくこと自体ができなかったでしょう。

占い結果などはともかく、投票順や発言など、なんでみんなあんなに覚えていられるんですかね。対面勢の方々の瞬間記憶力の高さ、マジハンパなくないですか?

この記事の最終更新日は 2018年06月16日 です。

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